2024.11.23
ビザ・滞在条件

ビザが取りやすい国とは。移住条件で選ぶ海外移住のしやすい国5選

ビザが取りやすい国とは。移住条件で選ぶ海外移住のしやすい国5選

海外移住を検討する際、ビザの取得条件が移住の難易度を大きく左右します。各国のビザ制度は目的や対象者によって異なり、比較的容易に長期滞在できる制度を持つ国もあります。この記事では、ビザ取得のしやすさに注目し、リタイヤ層や富裕層にとって魅力的な移住先となる国をご紹介します。

※本ページに記載されているビザ条件や要件は各国政府の政策変更により随時更新される場合があります。最新の情報は、必ず該当国の公式移民局ウェブサイトや大使館、または信頼できるビザ代理サービスをご確認ください。

タイ 〜リタイア世代や富裕層に優しいビザ制度〜

タイは、リタイア層や富裕層にとって移住のハードルが比較的低く、多くの外国人にとって魅力的な長期滞在先となっています。

例えばタイ政府が提供する退職者長期滞在ビザ Non-Immigrant O-A(Long Stay)は、50歳以上で一定の収入や貯蓄額を証明できれば比較的簡単に取得でき、年金生活者やリタイア世代に適した選択肢といえます。

また富裕層向けのタイランドプリビレッジビザは、会費を支払うことで5年から20年という長期の滞在が可能になり、年齢や収入条件に関係なく取得できる点で富裕層にとって非常に魅力的です。

退職者長期滞在ビザ Non-Immigrant O-A(Long Stay)

50歳以上のリタイア世代に特化したビザで、1年間の長期滞在が可能な上、条件を満たせば毎年更新が可能です。このビザの魅力は、比較的緩やかな取得条件にあります。申請には、月収65,000バーツ(約25万円)以上の収入証明、または80万バーツ(約300万円)の銀行預金証明が必要ですが、これらを満たすことで安定した長期滞在が実現します。また、タイ政府が指定する健康保険への加入も義務付けられており、入院時40,000バーツ、外来時400,000バーツ以上の補償が求められます。さらに、犯罪歴証明書や健康診断書を準備することで、手続きがスムーズに進められます。こうした条件をクリアすることで、タイでの穏やかなリタイア生活の第一歩を踏み出すことができます。

LTRビザ(Long-Term Resident Visa)

最大10年間の滞在が可能な特別なビザで、富裕層やリタイア世代、専門職、投資家を対象とした魅力的なプログラムです。このビザの取得条件はカテゴリごとに異なりますが、例えば「富裕層」カテゴリでは、最低100万米ドル(約1.5億円)の資産証明と年収80,000米ドル(約1,200万円)以上の収入が必要です。「リタイア世代」カテゴリでは、最低25万米ドル(約3,750万円)の投資と年収80,000米ドル以上が条件となります。また、申請者にはタイ国内で有効な健康保険加入が義務付けられ、医療面での安心も確保されています。このビザは年1回の簡易報告で滞在が継続可能となり、空港VIPレーンの利用や税制優遇措置など、多くの特典も付帯しています。タイでの長期滞在を計画する方にとって、柔軟でメリットの多い選択肢です。

LTRビザについての詳細はこちらから
https://a-and-aa.com/service/ltr/

タイランド・プリビレッジビザ

タイランド・プリビレッジビザ(旧タイランドエリートビザ)は、タイでの長期滞在を希望する富裕層に向けた特別なビザプログラムです。このビザは、入会金65万バーツ(約290万円)からの会費を支払うことで、最短5年から最長20年の滞在が可能となり、取得には年齢や収入の制限がないため、柔軟で幅広い層に対応しています。さらに、滞在中の90日ごとの報告義務が簡略化されるほか、専用の空港VIPサービス、専任のコンシェルジュサポート、ゴルフやスパの特典、ホテル割引などの充実した特典が付帯されており、タイでの滞在をより快適で特別なものにします。このビザは資産や収入を証明する必要がなく、手続きも簡単であるため、タイでの自由なライフスタイルを求める方に最適な選択肢です。

タイランドプリビレッジについての詳細はこちらから
https://thailand-privilege.a-and-aa.com

タイランド・プリビレッジは様々な特典も魅力

各種ビザの比較

項目 退職者長期滞在ビザ Non-Immigrant O-A(Long Stay) LTRビザ(Long-Term Resident Visa) タイランドプリビレッジビザ
対象者 50歳以上のリタイア世代 富裕層、リタイア世代、専門職、投資家など 富裕層、頻繁に渡航するビジネスパーソン、リタイア世代など
滞在期間 1年間(更新で延長可能) 最大10年間(5年ごとに更新) 5~20年間(プランにより異なる)
収入・資産要件 月収65,000バーツ以上または80万バーツ以上の預金 年収80,000米ドル以上または資産100万米ドル以上 会費:65万~500万バーツ(約290万円~2,200万円)
健康保険加入 必須(一定の補償額を満たすこと) 必須(十分な補償額が必要) 不要
特典 シンプルな長期滞在) 税制優遇、空港でのVIPサービス、特別レーン利用など 空港VIPサービス、ゴルフ・スパ特典、高級ホテル割引など
初期費用 比較的低コスト 高コスト(収入・資産要件を満たす必要) 高コスト(会費の支払い)
更新の手間 毎年更新(タイ国内で手続き可能) 5年ごとに更新(条件を満たせば可能) 会費で定められた期間滞在可能(更新不要)
税制優遇 なし 一部優遇措置あり なし
旅行やライフスタイルの特典 なし なし ゴルフ、スパ、ホテル割引、イベント招待

マレーシア 〜長期滞在を可能にするMM2Hプログラム〜

マレーシアは、多様な移住者向けビザ制度を通じて、長期滞在を希望する外国人にとって魅力的な選択肢を提供しています。特に注目すべきは、最長20年間の滞在が可能な「マレーシア・マイ・セカンドホーム(MM2H)」と、富裕層向けに特化した「新MM2Hプログラム」です。これらの制度は、柔軟な資産要件や収入条件で設計されており、家族帯同が可能な点も大きな魅力です。また、マレーシアは英語が広く通じ、移住後の生活や手続きがスムーズであることも特長の一つです。比較的低コストな生活環境や安定した医療インフラも相まって、リタイア世代からビジネスパーソンまで、多くの移住希望者を惹きつけています。

MM2Hビザ

長期滞在を希望する移住者向けに設計された魅力的なビザプログラムです。このビザは、最長20年間の滞在が可能で、条件を満たせば更新もできるため、安定した長期滞在を実現できます。家族帯同も可能で、配偶者や21歳未満の子どもも同じ条件でビザを取得できる点が大きな魅力です。柔軟で手厚い条件が揃ったMM2Hは、多くの移住希望者にとって理想的な選択肢となっています。

新MM2H

新MM2Hは、富裕層や高所得者を対象にしたマレーシアの移住ビザ制度です。このプログラムでは、長期滞在が可能で、条件を満たせば更新もできます。さらに、申請者がマレーシア国内で有効な健康保険に加入する必要があり、医療面での安心がサポートされます。家族での移住にも対応しており、配偶者や一定年齢以下の子どもも同じビザを取得可能です。高い資産や収入基準を満たすことで、安定した長期滞在と自由度の高い移住生活が実現できます。新MM2Hプログラムは、豊かな暮らしや洗練されたライフスタイルを求める移住希望者にとって魅力的な選択肢です。

各種ビザの比較

項目 マレーシア・マイ・セカンドホーム(MM2H) 新MM2Hプログラム
対象者 長期滞在を希望する富裕層・リタイア世代 富裕層・高所得者向けのプログラム
滞在期間 最長20年間 5〜20年間(更新可能)
収入要件 一定の安定した収入を証明する必要あり 高い収入要件を満たすことが求められる
資産要件 資産証明が必要 資産証明および一部をマレーシア国内で運用する必要
健康保険加入 必須 必須
家族の帯同 可能 可能
報告義務 なし 一部要件に基づき報告が必要
初期費用 銀行預金と収入証明の手続き費用 高額(資産・収入証明が必要)
更新の手間 更新手続きは一定間隔で必要 更新手続きはシンプルで柔軟
働くことの可否 不可 不可

フィリピン 〜ビジネスにもリタイアにも対応する多様な選択肢〜

フィリピンは、移住者向けに柔軟で魅力的なビザ制度を提供しており、特に注目すべきは「特別退職者居住ビザ(SRRV)」と「特別投資家居住ビザ(SIRV)」です。

SRRVは、リタイア層や長期滞在希望者を対象としたビザで、一定額のデポジットを行うことで、家族を帯同しながら無期限の滞在が可能となります。このビザは、リタイア後の安定した生活や、ゆったりとした移住生活を希望する方に最適です。また、デポジットは条件に応じて投資や不動産購入に活用できる柔軟性も特徴です。

一方、SIRVは、フィリピン国内での投資を通じて長期滞在が可能となるビザで、富裕層の投資家に向けて設計されています。このビザは、投資を維持する限り長期滞在が認められ、ビジネスの自由度が高く、経済的な活動を支援する仕組みが整っています。

どちらのビザも、収入要件が比較的緩やかで手続きが簡単なため、リタイア後の生活を計画している方や投資を通じた移住を検討している方々にとって、非常に魅力的な選択肢といえます。

特別退職者居住ビザ(SRRV)

フィリピンでの長期滞在を希望する移住者向けに設計されたビザプログラムです。このビザは、一定のデポジットを行うことで無期限の滞在が可能となり、条件に応じてそのデポジットを投資や不動産購入に活用できる柔軟性が特徴です。収入要件が設けられていないため、安定した滞在が比較的簡単に実現でき、移住者にとって利用しやすい仕組みとなっています。

さらに、配偶者や扶養家族も同じビザで滞在できるため、家族全員での移住が可能です。手続きが簡易で、滞在中の出入国手続きの簡略化や税制優遇措置が受けられる点も、このプログラムの大きな魅力です。リタイア生活を計画している方や、フィリピンで新たな生活を始めたい方にとって、理想的な選択肢といえるでしょう。

特別投資家居住ビザ(SIRV)

フィリピンでの投資を通じて長期滞在を希望する方に向けたビザプログラムです。このビザは、一定額以上をフィリピン政府が認可する投資対象に投入することで取得可能で、投資を維持する限り長期滞在が認められる仕組みが特徴です。収入要件が設けられていないため、投資活動を通じて自由に滞在できる柔軟性が魅力です。

さらに、取得後はフィリピン国内での自由な出入国が可能となり、投資活動やビジネス展開をスムーズに行える環境が整っています。このビザは、フィリピンを拠点としたビジネス展開や、新たな投資機会を探る方にとって、非常に魅力的な選択肢です。

各種ビザの比較

項目 SRRV(特別退職者居住ビザ) 投資家ビザ(Special Investor’s Resident Visa, SIRV)
対象者 フィリピンでの長期滞在を希望する50歳以上の方 フィリピンに一定額以上を投資する富裕層
滞在期間 無期限(条件を満たす限り) 無期限(投資を維持する限り)
資産要件 一定額のデポジットが必要(条件により異なる) フィリピン政府が認可する投資対象に一定額以上の投資が必要
収入要件 なし(デポジットでカバー) なし(投資額で条件を満たす)
健康保険加入 必須 推奨(必須ではない)
家族の帯同 配偶者と21歳未満の扶養家族も対象 対象外
働くことの可否 不可(特別許可が必要) 不可(特別許可が必要)
報告義務 なし 投資状況の報告が必要
初期費用 デポジットと申請手数料 投資額と申請手数料
更新の手間 条件を満たせば不要 投資の維持が必要

ポルトガル 〜投資を通じて取得可能なゴールデンビザ〜

ポルトガルは、移住者向けに柔軟で魅力的なビザ制度を提供しており、特に注目されるのが「ゴールデンビザ(Golden Visa)」と「D7ビザ(リタイアメントビザ)」です。

ゴールデンビザ

ポルトガルの「ゴールデンビザ」は、不動産投資や経済活動を通じて長期滞在を希望する方々に向けた魅力的なプログラムです。このビザは、さまざまな投資手段から選択できる柔軟性が特徴で、不動産の購入や投資ファンドへの出資など、自身の目的に合った方法で取得を目指すことができます。さらに、年間の最低滞在日数が短く設定されており、他国との行き来が容易で、滞在に関する負担が少ない点も大きな魅力です。

また、ゴールデンビザを取得した後は、一定期間の滞在を経て永住権や市民権の申請資格が得られます。これにより、ポルトガル国内のみならずEU圏全体での生活やビジネス展開の可能性が広がります。家族の帯同も認められており、配偶者や未成年の子どもも同様の権利を享受できるため、家族全員での移住を考える方にも理想的です。

ゴールデンビザは、柔軟な条件と確実な滞在を実現する手段として、多くの移住希望者に支持されています。EU内での生活や投資を通じた新たな可能性を求める方々にとって、非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。

D7ビザ(リタイアメントビザ)

ポルトガルのD7ビザ(リタイアメントビザ)は、安定した受動的収入を持つ移住希望者にとって魅力的な長期滞在プログラムです。このビザは、年金、賃貸収入、配当金などの安定した収入を証明することで取得が可能で、家族の帯同も認められています。最初の滞在期間は1年間で、その後2年ごとに更新が可能です。さらに、ポルトガル国内で一定期間居住することで、5年後には永住権や市民権の申請資格が得られる点も大きな魅力です。資産要件が比較的緩やかで、手続きがスムーズなD7ビザは、リタイア層や受動的収入を活用した移住を計画する方にとって理想的な選択肢です。

各種ビザの比較

項目 ゴールデンビザ(Golden Visa) D7ビザ(リタイアメントビザ)
対象者 不動産投資や経済活動を通じて移住を希望する富裕層 年金やパッシブ収入を持つリタイア層や安定収入を持つ個人
滞在期間 最初は2年間(更新可能)、5年後に永住権申請可能 1年間(更新可能)、5年後に永住権申請可能
資産要件 一定額以上の不動産購入や投資ファンドへの出資が必要 安定した受動的収入を証明し、家族帯同の場合は収入条件が追加される
収入要件 不動産購入または投資を資金で賄えることが必要 年金、賃貸収入、配当金などのパッシブ収入を証明
健康保険加入 必須 必須
家族の帯同 配偶者および扶養家族も対象 配偶者および扶養家族も対象
働くことの可否 投資活動を目的とした滞在のため、働く場合は別途許可が必要 働くことが可能
報告義務 年間7日以上の滞在が必要 一定期間ポルトガルに居住する必要あり
初期費用 不動産購入額および手数料 居住費、保険料、ビザ申請費用
更新の手間 2年ごとに更新が必要 1年後に更新し、その後2年ごとに更新

カンボジア 〜シンプルなビザ制度で長期滞在可能〜

カンボジアのビザ制度は、手続きがシンプルで柔軟性が高く、多様なニーズに対応しています。特にリタイア層やビジネス目的の方々にとって魅力的な選択肢となっています。

ERビザ(リタイアビザ)

ERビザは、退職後の長期滞在を希望する方を対象としたビザです。年齢制限は明確に定められていませんが、申請者は年金や安定した収入の証明を提出する必要があります。このビザにより、6か月から1年間の滞在が可能で、条件を満たせば更新も容易です。資産要件や預金証明が不要で、手続きのハードルが低い点が大きな魅力です。さらに、配偶者や扶養家族の帯同も認められており、家族での移住にも適しています。取得手続きが簡略化されているため、リタイア生活を計画する方にとって理想的な選択肢と言えます。

EB(ビジネス)ビザ

EBビザは、カンボジアでの事業活動や雇用を目的とする方々向けのビザです。申請には、雇用契約書や事業活動を証明する書類の提出が求められますが、資産要件や預金証明は不要です。このビザにより、6か月から1年間の滞在が可能で、更新も容易に行えます。また、配偶者や扶養家族の帯同も可能で、家族での移住を考える方にも適しています。カンボジアでのビジネス展開やキャリアを追求する方にとって、コストパフォーマンスに優れた移住の選択肢となります。

各種ビザの比較

項目 ER(リタイア)ビザ EB(ビジネス)ビザ
対象者 退職後の長期滞在を希望するリタイア層 カンボジアで事業や投資を行う富裕層
滞在期間 6か月~1年(更新可能) 6か月~1年(更新可能)
資産要件 明確な資産要件はなし(十分な収入や年金を証明する必要あり) 事業または投資資金が必要
収入要件 年金や安定した収入を証明する書類が必要 事業活動または雇用契約を証明する書類が必要
健康保険加入 推奨(必須ではない) 推奨(必須ではない)
家族の帯同 配偶者や扶養家族も対象 配偶者や扶養家族も対象
働くことの可否 不可(働く場合は別途ビザが必要) 可(事業や雇用活動に従事可能)
報告義務 なし 事業活動に関する報告が必要
初期費用 ビザ申請費用と年金・収入証明の手続き費用 ビザ申請費用と事業登録費用
更新の手間 毎年更新が必要 毎年更新が必要

まとめ

今回紹介した5つの国は、それぞれビザ取得条件が異なるものの、比較的容易に移住が可能です。

移住を検討する際には、自分のライフスタイルや経済状況に合ったビザ制度を選び、現地の制度や条件をしっかりと確認することが大切です。各国のビザ取得条件や生活環境は多様です。自身のライフスタイルや目的に合った移住先を選ぶことが重要です。移住を検討する際は、各国の最新情報を確認し、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。