
タイの医療事情、日本との違いと実際に使ってみた感想

タイの医療事情、日本との違いと実際に使ってみた感想
はじめに
海外移住や長期滞在を考えるときに、多くの人が不安に思うのが「医療」です。
「病気やケガをしたらどうしよう?」
「日本と比べて安心できるの?」
「費用は高いの?」
私自身、タイで21年暮らす中で何度も病院にかかった経験があります。その体験を踏まえながら、今回は タイの医療事情を日本と比較し、実際に使ってみた感想 をまとめていきます。
タイの医療事情の全体像
タイの医療は大きく分けて以下の3種類があります。
1. 公立病院
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費用が安いのが最大のメリット。
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ただし、患者数が多いため 待ち時間が非常に長い。朝行っても午後までかかることも珍しくありません。
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タイ語のみの対応が基本なので、外国人にはややハードルが高いです。
2. 私立病院
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バンコクや主要都市には世界的にも有名な私立病院があります。
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医療機器や設備は最新で、国際水準の医療サービスが受けられます。
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英語はもちろん、日本語通訳が常駐している病院も多い(例:サミティヴェート病院、バンコク病院)。
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費用は公立より高めですが、日本の自由診療に比べれば割安なことも多いです。
3. クリニック・診療所
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風邪や軽い症状なら、街中のクリニックで十分対応可能。
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待ち時間も短く、費用は数百〜数千バーツ程度。
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医師の当たり外れがあるので、口コミで選ぶのがおすすめです。
日本との違い
医療費の仕組み
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日本:国民皆保険制度があり、基本は自己負担3割。
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タイ:外国人は原則「全額自己負担」。保険に入っていないと、高額医療費を一括で払う必要があります。
診療スタイル
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日本:紹介状が必要、検査や結果が出るまでに日数がかかることも。
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タイ:その場で血液検査、X線、MRIまで一気に受けられ、数時間で結果が出ることも多い。スピード感が圧倒的に違うのが印象的です。
サービスの質
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タイの私立病院は、まるでホテルのような快適さ。
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待合室は清潔で、スタッフもフレンドリー。VIPルームにはソファやミニキッチンまで備わっています。
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日本よりも「患者はお客様」という意識が強い印象です。
実際に使ってみた感想
私がタイで経験した中で印象的だったのは以下の点です。
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風邪で私立病院に行ったとき
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朝一で受診 → その場で血液検査・胸部X線まで実施。
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2時間後には診断結果と薬をもらって帰宅。
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費用は2,000バーツほど(約9,000円)。日本で保険なしで同じ検査をすればもっと高額になるでしょう。
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歯科治療の経験
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詰め物の交換とクリーニングで1,500バーツ(約6,500円)。
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最新の機器が揃っており、施術も丁寧。
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日本の自由診療に比べるとかなりコスパが良いと感じました。
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救急時の対応
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深夜に高熱で病院に行った際も、英語でスムーズに対応。
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24時間対応の私立病院は安心感があり、日本人通訳が付き添ってくれるのは本当に心強いです。
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医療費の目安(参考データ)
項目 | タイ(私立病院) | 日本(保険なしの自由診療) |
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一般診察料 | 1,500〜3,000バーツ | 6,750〜13,500円 |
血液検査 | 1,000〜2,500バーツ | 4,500〜11,250円 |
MRI検査 | 10,000〜20,000バーツ | 45,000〜90,000円 |
出産費用 | 50,000〜200,000バーツ | 22万〜100万円以上 |
医療費は日本に比べると安めですが、保険がないと一度の入院で数十万円単位の請求になることもあり注意が必要です。
保険の重要性
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長期滞在者は タイ国内の民間保険 や 国際医療保険 に加入するのがおすすめです。
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クレジットカード付帯の海外旅行保険は短期滞在向けで、長期移住者には不十分。
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医療水準は高いので、あとは「保険でカバーできるかどうか」が大事になります。
まとめ
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タイの医療は想像以上にレベルが高く、特に私立病院は日本と同等かそれ以上の快適さ。
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日本との大きな違いは「保険制度」。全額自己負担になるので、必ず保険加入を検討すべき。
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実際に利用してみて感じたのは、「迅速さ」と「サービスの手厚さ」。日本と違い、必要な検査をすぐに受けられるのは大きな安心です。
タイで暮らす上で、医療面は大きな不安材料ではなく“むしろ安心できるポイント”になると感じています。