2025.12.16
生活情報

タイの「修理文化」を理解する

タイの「修理文化」を理解する

〜壊れたら捨てる?いいえ、まず直します〜 タイに住んでいると、日本ではあまり意識しなかった 「修理」という選択肢が、当たり前のように生活に登場します。 日本とタイでは、この感覚がかなり違います。

① 壊れたら「まず修理」が基本

日本では、

  • 壊れた

  • 保証が切れている

  • 修理代が高い

となると、
「じゃあ買い替えようか」
となりがちです。

一方タイでは、

  • 壊れた
    とりあえず修理屋へ

これが基本です。

街を歩けば、

  • 家電修理

  • スマホ修理

  • バイク修理

  • 何でも直す系のお店

が、普通に並んでいます。

「こんなところで?」
と思うような場所でも、半田ごて片手に真剣に直しています。

② 完璧じゃなくていい。「動けばOK」

タイの修理で、日本人が一番戸惑うのがここです。

タイでは、
新品同様に戻すことは重要ではありません。

  • 音が少し大きい

  • 見た目がちょっと歪んでいる

  • 色が違う部品が使われている

それでも、

動くからOK
使えるから問題なし

という感覚です。

最初は不安になりますが、
意外とそのまま何年も使えたりします。

③ 修理代が安い理由

「こんなに安くて大丈夫?」
と思うことも多いですが、理由はシンプルです。

  • 人件費が比較的安い

  • 細かい作業を嫌がらない

  • 部品を工夫して流用する

たとえば、

  • 扇風機:100〜300バーツ

  • スマホ画面交換:1,000〜2,000バーツ

  • 洗濯機の軽修理:数百バーツ

「直して使う」ことが、生活の一部になっています。

④ 「壊れた=価値ゼロ」ではない

タイでは、壊れた物にも価値があります。

  • 壊れた家電 → 部品取り

  • 古いスマホ → 下取り・再利用

  • 使わない物 → 売る・譲る

そのため、
「壊れたから捨てる」
という発想が、最初に来ません。

物を最後まで使い切る、
そんな価値観が根付いています。

⑤ タイ生活は「修理前提」で考えると楽

タイで生活するなら、

  • まず修理できるか考える

  • ダメなら買い替える

この順番がおすすめです。

特に長期滞在や移住の場合、

  • シンプル構造の家電を選ぶ

  • 高級すぎる物は買わない

  • 「直しながら使う」前提で考える

これだけで、ストレスがかなり減ります。

⑥ 修理文化は、タイの「生活力」

この修理文化は、
「お金がないから」ではありません。

  • 無駄を出さない

  • 工夫する

  • あるもので何とかする

という、生活力の強さだと感じています。

20年タイに住んでいて、
この感覚は本当にたくましいと思います。

まとめ:直すという選択肢を持つ暮らし

日本では忘れがちな、

  • 直す

  • 工夫する

  • 使い切る

という考え方。

タイの「修理文化」を知ると、
暮らし方そのものが少し楽になります。

移住を考えている方、
タイ生活を始めたばかりの方には、
ぜひ知っておいてほしい文化のひとつです。