タイの「修理文化」を理解する
〜壊れたら捨てる?いいえ、まず直します〜 タイに住んでいると、日本ではあまり意識しなかった 「修理」という選択肢が、当たり前のように生活に登場します。 日本とタイでは、この感覚がかなり違います。
① 壊れたら「まず修理」が基本
日本では、
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壊れた
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保証が切れている
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修理代が高い
となると、
「じゃあ買い替えようか」
となりがちです。
一方タイでは、
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壊れた
→ とりあえず修理屋へ
これが基本です。
街を歩けば、
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家電修理
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スマホ修理
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バイク修理
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何でも直す系のお店
が、普通に並んでいます。
「こんなところで?」
と思うような場所でも、半田ごて片手に真剣に直しています。
② 完璧じゃなくていい。「動けばOK」
タイの修理で、日本人が一番戸惑うのがここです。
タイでは、
新品同様に戻すことは重要ではありません。
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音が少し大きい
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見た目がちょっと歪んでいる
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色が違う部品が使われている
それでも、
動くからOK
使えるから問題なし
という感覚です。
最初は不安になりますが、
意外とそのまま何年も使えたりします。
③ 修理代が安い理由
「こんなに安くて大丈夫?」
と思うことも多いですが、理由はシンプルです。
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人件費が比較的安い
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細かい作業を嫌がらない
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部品を工夫して流用する
たとえば、
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扇風機:100〜300バーツ
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スマホ画面交換:1,000〜2,000バーツ
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洗濯機の軽修理:数百バーツ
「直して使う」ことが、生活の一部になっています。
④ 「壊れた=価値ゼロ」ではない
タイでは、壊れた物にも価値があります。
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壊れた家電 → 部品取り
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古いスマホ → 下取り・再利用
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使わない物 → 売る・譲る
そのため、
「壊れたから捨てる」
という発想が、最初に来ません。
物を最後まで使い切る、
そんな価値観が根付いています。
⑤ タイ生活は「修理前提」で考えると楽
タイで生活するなら、
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まず修理できるか考える
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ダメなら買い替える
この順番がおすすめです。
特に長期滞在や移住の場合、
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シンプル構造の家電を選ぶ
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高級すぎる物は買わない
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「直しながら使う」前提で考える
これだけで、ストレスがかなり減ります。
⑥ 修理文化は、タイの「生活力」
この修理文化は、
「お金がないから」ではありません。
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無駄を出さない
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工夫する
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あるもので何とかする
という、生活力の強さだと感じています。
20年タイに住んでいて、
この感覚は本当にたくましいと思います。
まとめ:直すという選択肢を持つ暮らし
日本では忘れがちな、
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直す
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工夫する
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使い切る
という考え方。
タイの「修理文化」を知ると、
暮らし方そのものが少し楽になります。
移住を考えている方、
タイ生活を始めたばかりの方には、
ぜひ知っておいてほしい文化のひとつです。
